ストレッチやトレーニングで大事なポイント~Joint by Jointセオリー~


皆さんはJoint by jointセオリーという考え方をご存じでしょうか?

この理論を知っていると

ストレッチで伸ばしたいところを、しっかりと伸ばせるようになったり、

ケガの予防を行いながらトレーニングが可能となります!

 

運動を行う方は絶対に知っていただきたい考え方!

しっかりと解説させていただきます♪

この記事の内容は・・・

Joint by joint theoryとは?


身体の各関節の役割を

【安定性関節 Stability Joint】と

【可動性関節 Mobility Joint】の2種類に整理し、

動作の質の評価に役立たせる考え方となります。

 

この役割をアメリカの理学療法士のGrey Cookと

コンディショニング・ストレングスコーチのMike Boyleが

提唱したのがJoint by joint theory(和訳すると各関節理論)

と呼ばれる理論となります。

具体的にはどういう理論?


下の図をご覧ください。

 

図のように身体の各関節には

【安定性関節 Stability Joint】と【可動性関節 Mobility Joint】に分けられます。

例えば、スクワットを行う際には

Mobility Jointである胸椎・股関節・足関節がしっかりと可動し、

Stability Jointである腰部は安定する事で正しいフォームが作れますが、

これがMobility Jointである股関節や足関節が硬さの硬さが生じてしまうと

お尻が後方へシフトし骨盤を立たせる動作ができなくなる為、

腰を曲げたり、膝を突き出しながらのスクワットになってしまいます。

腰部や膝関節は関節の構造上、可動性が少ない関節であることや

JBJTでは動きの障害が出た関節に隣接した関節が動作を代償するとされており、

過剰なストレスが膝や腰へ生じてしまいケガのリスクを高める事となりま

す。

日常生活にどう役立つ?


JBJTの考え方が日常生活で役立つのは

中腰の姿勢や重たいものを運ぶ際の動作です。

例えば、股関節が硬い方が中腰の体勢を取ると、

ほぼ腰をメインに曲げてしまいます。

床にある重たいものを運ぶ動作でも同様です。

この動作だと腰部(特に椎間板)に生じる負荷が大きく、

ぎっくり腰などの急性腰痛や反復したストレスによる

慢性的な腰痛の原因になる恐れがあります。

股関節がしっかりと可動し、骨盤が立った状態で腰部が安定すると、

動作時に生じる腰への負担は軽減される為、

股関節の可動性と腹部の安定性は身につけておきたいですね。

トレーニングではどう役立つ?


例えばスクワット

ボトムまで腰を落としたいけど、

腰や背中が丸くなったり膝が前に出ちゃって

きれいなフォームが取れないってことありますよね

フォームが崩れる原因を考える際にJBJTの考え方が役に立ちます

まずはモビリティ関節である股関節や胸椎の可動性が十分にあるかが重要で


スクワットで腰や背中が丸くなるというのは

細かく考えると骨盤の前傾や胸椎の伸展動作が出ていない事が考えられます

という事はスクワット動作を行う前に、これらの可動性を出す必要があるんですね

例えば股関節でいうと殿筋やハムストリングス、大腿四頭筋

胸椎でいうと大胸筋や腹直筋・広背筋などが硬さが生じると

制限が起きやすいので事前に可動域を出すメニューを入れます

またスタビリティ関節である腰椎はしっかりと安定させたいので

腹圧がキープできるようにコアトレーニングもスクワット前に入れるのが良いと考えます

熟練者は負荷量を調整しつつ、スクワットの中でコントロールできますが

慣れていない方はまずウォーミングアップもかねて

ストレッチやコアトレーニングを入れる事をオススメします

 

スポーツではどう役立つ?

野球の投球動作

野球において肘や肩を痛める選手に多い特徴として、股関節や胸椎の硬さが挙げられます

肩関節は球関節と言って様々な方向に動く、非常に可動域に富んだ関節ですが

その分、過剰に動いてしまう関節でもあります

例えば、

ピッチングでは身体のしなりを必要とされますが、

股関節や胸椎の動きが硬いと身体のしなりが出ず、

それをカバーしようとして肩関節や肘関節が過剰に

動いてしまいます

この状態で投球動作を反復すると関節周囲の筋肉を始め、

靭帯などの組織に慢性的なストレスが生じ、痛みを起こす可能性があります

 そうならない為にもモビリティ関節である

股関節や胸椎の動きを確保し、スタビリティ関節である肩甲骨を安定させる事で肩や肘に対する負担を減らす事に繋がります

バレーボール・バスケなどのジャンプ

バレーボールやバスケットボールではジャンプ、そして着地動作を多用する為、膝のケガが絶えないスポーツでもあります

先ほどのスクワットと関係してくるのですが、着地動作においてスクワットの姿勢を取れるという事は、非常に重要です

何故かと言うとスクワットの姿勢は殿筋や

ハムストリングスをしっかりと使える為、着地で衝撃を吸収しやすくなります

逆にスクワットの姿勢が取れない選手は、大腿四頭筋を過剰に使ってしまったり、内股の状態で着地しやすく、

膝の靭帯を痛めるリスクが高くなります

またスクワットの姿勢が取れると下半身の様々な筋肉が

使える上、上半身はしなやかに動きやすくなるので

カッティングなどの素早い動作や力強いスパイクなどの

パワーを発揮する事に繋がります

 

このようにJBJTの考え方は様々なスポーツ動作やトレーニングに役立ちます!

普段の動作を見直す際に、ぜひ参考にしてみてくださいね!

参考文献

 

Gray Cook:MOVEMENT,NAPLimited,308-310,2014

倉持梨恵子:Joint by Joint Theory ~mobility jointとstability joint~,臨床スポーツ医学,VOL.38 NO.3,文光堂,2021

 

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