アスリートの競技力を支える為の能力を段階的に表した
トレーニングのシステムモデルの事を言います。
元々はアメリカの理学療法士であるGrey Cookが2003年に提唱したモデルですが、
現在では様々なトレーナーによって独自のパフォーマンスピラミッドが提唱されています。
例えば力のあるシュートを打ちたい、
切れのあるドリブルをしたい、
ピッチングのコントロールを高めたいなど、
スポーツのスキルを向上したいという気持ちは
皆さん誰しもお持ちの考えだと思います。
ただ、やみくもにドリブルやシュート、投球練習などを行うだけで、
そのスキルは上がるのでしょうか?
もちろん数をこなす事は競技力を高める上で、とても重要な事です。
しかし、先ほど挙げたシュートやドリブル、投球動作を紐解いていくと、
身体の様々な動作が複合し瞬発的に行われています。
という事は、
関節の可動性や筋肉の柔軟性、
1つ1つの動作のコントロールや
大きなパワーを発揮する能力が必要になってきます。
この要素を疎かにした状態では、せっかく時間をかけた
専門的な練習の質が落ちてしまいます。
また、土台が安定していない状態でのトレーニングは
ケガや体調不良等のパフォーマンスを落とすきっかけにもなりかねません。
そういったリスクを回避する上でも
パフォーマンスピラミッドの考えは皆さまのお役に立てると考えます。
【自分や指導している選手に必要な要素が明確になる】
トレーニングにおいての必要な要素が細分化できるので、
自分(もしくは指導している選手)に必要なトレーニング内容や
日常生活で必要な要素というのが明確になります。
【大事な時にパフォーマンスを落とさない】
土台の部分が安定し段階的なトレーニングが行えるようになると
自分自身の身体の感覚や、トレーニングによって起こる身体の変化を理解できるため、
目標にしている試合や大会に向けての調整がしやすくなります。
また調整が上手くいっていない場合も、
原因がつかみやすく修正が効きやすくなります。
【スポーツをしていない方でもめっちゃ大事】
内容的にスポーツに特化した形になりますが、
日常生活を気持ちよく過ごす為にも、このパフォーマンスピラミッドの考え方は役に立ちます。
実は競技動作も日常生活での動作も負荷の違いだけで根本的な部分は一緒です。
この考え方を知る事は日常生活を豊かにするヒントになります。
ここからは私の考えるパフォーマンスピラミッドについて土台の部分からお話します。
トレーニングを行う際に、方法論や見た目の派手さなどに目を奪われがちですが、
まずは自分の身体が負荷に耐えれるか、トレーニングに適しているかを把握する必要があります。
例えば、睡眠は確保できているか、栄養はしっかり摂れているか、
病気やケガを抱えていないかなど日常生活を送る上でも
大切な要素を満たせているかFundamantalの部分では考えます。
何故かというと、スポーツでは身体に多大なる負荷が生じます。
この負荷に対し耐久力があるか、ダメージに対して回復ができるか、
これらの要素が満たされていないと、ほぼ確実にケガをするか
100%に近いパフォーマンスを発揮できない状況になるからです。
詳しい解説は【誰しもかかる可能性あり!自律神経とケガ】
の記事でも解説しておりますので、こちらも合わせてご覧くださいね!
トレーニングを行う上で、まずはこのFundamantalの部分は
押さえておくべきと考えています。
身体の基礎の次は動きの基礎となります。
こちらでは関節の可動性や筋肉の柔軟性・呼吸の安定性などが整いかつ、
意識的に動作をコントロールできるという事を目標に行います。
これは何故かというと、この後に続く段階は瞬発的な動作であったり、
複合的な動作であったり、動作としては様々な要素が絡んできます。
その前段階として関節の可動性や筋肉の柔軟性や呼吸動作に問題があると、
一部の関節や筋肉に負荷をかけてしまい肉離れや捻挫などのケガのリスクもありますし、
瞬発的に大きなパワーを発揮しづらい身体になってしまいます。
このようなリスクを減らす為にも動きの基礎つくりは大事な要素になってきます。
競技力を高める部分にも繋がりますが、
日々のコンディション作りや回復を促すという事にも繋がるので、
普段のトレーニングの中に組み込む事をオススメします。
そういった点ではピラティスやヨガといったボディワークはオススメですね!
自分自身の身体の認知力を高め、コントロールできる要素が詰まったトレーニングになります。
最近は様々なアスリートがピラティスやヨガを取り入れるようになりました。
ピラティスの詳しい解説に関してはこちらから!
【ピラティスって何?】
ピラティスインストラクターでもある私自身がピラティスについて解説しております。
3つ目の段階では様々な負荷に対応し
瞬発的に大きなパワーを発揮できる能力を高めていきます。
MOVEMENTでは動きの基礎となる
関節の可動域や筋肉の柔軟性を作る事を重要視しますが
競技においての動作は、ここにスピードとパワーや心肺機能に対する高レベルの負荷が生じます。
Performanceの段階では、
パワー発揮に必要なプライオメトリックの要素や
筋量を増やすためのレジスタンストレーニング、
素早い動きに必要なアジリティトレーニング、
持久系種目に必要な心肺機能を高めるインターバルトレーニングやLHDなどを中心に行います。
動作の内容的にも徐々に競技動作に近づいてきますし、負荷も上がってきますので、
実施する際は選手のコンディションに注意を払う必要もあるかと考えます。
ここでは、各種目の専門動作(投球練習やシュート練習、守備や攻撃の連携など)に入っていきます。
ここからは監督やコーチの方々の領域になり、チームごとの方針に沿って行われますので、
トレーナー・セラピストである私からお伝えする事はあまりございません。
しかし、これまでの要素に下支えされている部分でもあります。
これまで挙げたように様々な要素が積み重なり、競技力が培われる訳です。
しかし、正直な話、ひとりでこれらをカバーするには限界があると思います。
特に部活動を指導されている顧問の先生方やクラブチームのコーチの方々は、
仕事・チームの運営・指導とタスクが多すぎて先ほどのパフォーマンスピラミッド全体
をカバーする事は骨の折れる作業と思います。
そういった時に相談できる専門家がいるだけでも不安要素が少なくなると思いますので、
以下に各段階の専門家を挙げさせていただきました。
少しでも指導されている方々の負担が減り、選手の皆さんの利益になれば幸いです。
また、気になる点などがあれば気兼ねなくお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
ナガオベース ナガオ タカヒロ
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